今回ご紹介するのは、吉井雅之さん著『習慣が10割』です。 いわゆる今流行りの「◯割本」の一冊ですが、結論から言うと中身はかなり実践的。 30〜40代になり、「このままでいいのか」「何か変えたい」と感じている男性には、特に刺さる一冊だと感じました。
今の自分は、これまでの習慣の集大成である
本書を通して筆者が一貫して伝えているメッセージは、非常にシンプルです。 それは、「良い習慣を身につけて、理想の自分になろう」ということ。
私たちの今の姿は、生まれ持った才能や運ではなく、これまで積み重ねてきた習慣によって形作られている。 勉強ができる人、仕事ができる人は「能力が高い」のではなく、コツコツ続ける習慣を作れた人なのだと、筆者は語ります。
正直、「いやいや、能力差はあるでしょ」とツッコミたくなります。 ですが筆者の主張は、「トップレベルの話」ではありません。 人並み以上にできるようになるレベルであれば、習慣の力で十分に到達できるという主張なのです。
「コツコツできない」のは才能のせいではない
多くの人がつまずくポイントはここでしょう。 「それができないから困っているんだよ」という話です。
コツコツ続けられる人は、それ自体が才能なのではないか。 自分にはその才能がないから、良い習慣が身につかないのだ——。
しかし本書では、その考えをはっきりと否定します。 習慣化に必要なのは才能ではなく、人間の脳の仕組みを理解したアプローチだと。
脳は「正しさ」ではなく「快・不快」で動いている
人間の脳には、扁桃核(へんとうかく)という部分があります。 ここは五感から入った情報を「快」か「不快」かで判断し、
- 快 → 近づく
- 不快 → 避ける
という極めて原始的な行動選択をしています。
つまり、どれだけ正しい行動でも、脳が「不快」と判断すれば、人は本能的に避けてしまう。 逆に、楽しい・気持ちいい・承認されるといった要素があれば、自然と行動は続きます。
習慣化の最大の敵は「正論」なのかもしれません。
習慣化のコツは「脳をだます」こと
では、どうすれば良い習慣を身につけられるのか。 答えはシンプルで、脳の「快」にとことん寄せることです。
たとえば、
- 英語を学びたい → 好きなタレントに似た講師がいる英会話スクールに通う
- ダイエットしたい → SNSで成果を発信し、応援される環境を作る
行動そのものではなく、周辺の環境で「快」を作るのです。
最重要ポイントは「小さな習慣」から始めること
本書で最も重要だと感じたのが、この考え方です。
日記 → 毎日1行でOK 筋トレ → 腕立て伏せ1回でOK
あまりに小さくて拍子抜けするかもしれませんが、これには明確な理由があります。
それは、小さな成功体験を積むことが、脳にとって最大の「快」だからです。
「今日もできた」という感覚が、脳をワクワクさせ、 やがて「もう少しやってみよう」という行動強化につながっていきます。
習慣化が進むと現れる「お試し君」
ある程度習慣が身についてくると、脳は突然こんな声をかけてきます。
- 「それ、やる意味ある?」
- 「今日は疲れてるし、休んでもよくない?」
筆者はこれを「お試し君」と呼んでいます。
ここで重要なのが、未来の自分をリアルに想像することです。
「できたらいいな」ではなく、 「◯◯を習慣化した結果、私は◯◯を達成した」と、完了形で思い描く。
脳は未来と現在を区別できないため、その姿を実現しようと行動を後押ししてくれるのです。
良い習慣とは、願望を叶えるための手段である
結局のところ、良い習慣を作る目的は「習慣そのもの」ではありません。 自分が心からワクワクする願望を実現することです。
願望の描き方が難しいと感じる人も多いでしょう。 ですが、それも最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは仮の願望でいい。 動きながら、少しずつ修正していけばいいのです。
まとめ|ワクワクする未来が、習慣を作る
『習慣が10割』は、「続けられない自分」を責める本ではありません。 脳の仕組みを理解し、味方につけるための実用書です。
ワクワクする願望を描き、 小さく始めて、 コツコツ、ニコニコ続ける。
人生を変える一歩として、ぜひ手に取ってみてください。